肺炎を引き起こす細菌、マイコプラズマの一種に、クラゲのような形をしたたんぱく質の集まりが一つ存在することを大阪市立大大学院理学研究科の宮田真人教授らが見つけた。このたんぱく質構造は、体内に入ったマイコプラズマが感染のため、肺細胞に素早く移動する能力とかかわりがあるとみられ、構造の解明が治療法開発につながると期待される。今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。実験に使ったマイコプラズマは魚のえらに炎症を起こす。細菌は長さ1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)弱のひょうたんのような形をしている。

 マイコプラズマの細胞膜を薬品で溶かし、電子顕微鏡で見たところ、中に直径約250ナノメートル(ナノは10億分の1)の楕円(だえん)形の頭の下に長さ約600ナノメートルの足が20本ほどついたクラゲのような形のたんぱく質を見つけた。

 マイコプラズマの移動には、細菌の外側に約400本ある長さ約50ナノメートルのたんぱく質が足となって動く必要がある。この足に異常があって移動しないマイコプラズマではクラゲ構造も見られないという。


マイコプラズマ内にあったクラゲの形をしたたんぱく質構造=大阪市立大大学院・宮田真人教授提供

asahi.comに掲載の記事

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